特集 エキスパートに学ぶ、安全で楽な外来内視鏡
今日の外来内視鏡診療 安全で苦痛の少ない大腸内視鏡の前処置
野崎 良一
1
,
田渕 聡
,
桑原 大作
,
錦織 英知
,
中村 寧
,
山田 一隆
1高野会大腸肛門病センター高野病院
キーワード:
Polyethylene Glycols
,
大腸内視鏡法
,
院内感染
,
大腸腫瘍
,
リスク
,
診療ガイドライン
,
パンデミック
,
患者の安全
,
外来診療
,
Sodium Phosphate
,
苦痛
,
検査食
,
腸洗浄
,
COVID-19
Keyword:
Colorectal Neoplasms
,
Risk
,
Cross Infection
,
Colonoscopy
,
Practice Guidelines as Topic
,
Psychological Distress
,
Polyethylene Glycols
,
COVID-19
,
Ambulatory Care
,
Pandemics
,
Patient Safety
,
Sodium Phosphate
pp.1011-1018
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021304953
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精度の高い大腸内視鏡を施行するには、安全で苦痛の少ない腸管洗浄効果に優れた前処置法が求められる。腸管洗浄度は大腸内視鏡の主要なquality indicatorの一つである。本邦では、腸管洗浄剤に加えて検査食の併用や下剤の投与などの工夫が行われている。「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」(2020年)では、大腸内視鏡の腸管前処置法としてポリエチレングリコール製剤、クエン酸マグネシウム製剤などの当日投与法が推奨されている。本邦では、錠剤タイプのリン酸ナトリウム製剤やピコスルファート/クエン酸マグネシウム配合剤も使用されている。安全で苦痛の少ない前処置のためには、患者の排便状態、腹部状態、基礎疾患、年齢、生活環境などの事前把握が重要である。これらを考慮して腸管洗浄剤を選択し、在宅か院内での服用とするかを決定する。COVID-19パンデミックの状況下では感染リスク軽減のため、患者自宅での服用が推奨される。大腸検査食、ピコスルファートナトリウムなどの下剤や消化管蠕動賦活薬の併用は良好な前処置のために有用な方法である。
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