特集 エキスパートに学ぶ、安全で楽な外来内視鏡
外来内視鏡診療への展開 外来における小腸のバルーン内視鏡検査
大塚 和朗
1
,
竹中 健人
,
日比谷 秀爾
,
河本 亜美
,
齊藤 詠子
,
藤井 俊光
,
長堀 正和
,
岡本 隆一
1東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部
キーワード:
Crohn病
,
院内感染
,
感染予防管理
,
小腸疾患
,
外来診療
,
バルーン小腸内視鏡法
,
COVID-19
Keyword:
Balloon Enteroscopy
,
Cross Infection
,
Crohn Disease
,
Infection Control
,
COVID-19
,
Ambulatory Care
pp.1041-1046
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021304957
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これまで小腸のバルーン内視鏡(BAE)はおもに入院して施行されてきたが、必ずしも全例が入院して行う必要はない。安全を確保したうえで外来化を進められれば、拘束時間短縮や医療費削減を図ることができる。低侵襲で偶発症の可能性が低いものが外来検査の適応となり、経肛門検査の多くや、経口検査でも近位空腸の観察など短時間で終了できるものは外来で施行可能である。一方、小児や高齢者に対する検査、原因不明消化管出血など病変部位が不明で小腸全域を検査する場合、内視鏡治療は入院で行う。検査後は、安静解除後に覚醒状態を評価して帰宅とする。このとき血便や吐血、嘔吐、強い腹痛や増強する腹痛、腹部膨満感など具体的に注意すべき変化を患者に対し指導しておく必要がある。近年のコロナ禍に対して当施設では、問診票で患者の拾い上げを行い、外来検査でもCOVID-19陽性者に対する場合と同様の十分な感染防護を行っている。目的を明確にして検査を計画することで、安全を確保しつつ負担軽減が可能になる。
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