特集 胃癌診療のパラダイムシフト
欧州内視鏡学会と欧州ヘリコバクター&マイクロバイオータ研究会ほかが発行した"MAPS II"による胃癌のマネージメント
杉本 光繁
1
,
永田 尚義
,
岩田 英里
,
河合 隆
1東京医科大学病院 内視鏡センター
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
Pepsinogens
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
血統
,
画像強調
,
抗細菌剤
,
生検
,
多剤併用療法
,
診療費
,
診療ガイドライン
,
費用効果分析
,
リスクマネジメント
,
腸上皮化生
,
ヨーロッパ
,
除菌療法
,
発癌
,
狭帯域光観察
,
胃炎-萎縮性-自己免疫性
,
上皮性異形成
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Biopsy
,
Drug Therapy, Combination
,
Stomach Neoplasms
,
Image Enhancement
,
Gastroscopy
,
Risk Management
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Practice Guidelines as Topic
,
Pedigree
,
Pepsinogens
,
Europe
,
Fees, Medical
,
Narrow Band Imaging
,
Carcinogenesis
pp.1188-1196
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021295054
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胃癌診療における診断治療法やサーベイランス法は世界各地で異なり、欧州では定期的な内視鏡検査とともにOLGA/OLGIM分類を使用した胃炎の重症度や胃癌リスクを評価することが基本となる。MAPS IIは欧州の関連4学会が中心となって作成された胃癌診療ガイドラインの改訂版であり、胃粘膜萎縮や腸上皮化生を胃癌のリスク因子とし、Helicobacter pyloriの持続感染、胃癌の家族歴、自己免疫性胃炎の有無によりサーベイランス法の推奨度が異なることが特徴である。MAPS IIでは高画質の画像強調内視鏡検査の有用性を明示した点、軽度異形成症例の取り扱いを厳重にした点、胃炎の重症度別あるいは腫瘍の異型度により異なるサーベイランス法を提示した点などが変更点である。本稿ではMAPS IからMAPS IIへの改訂点と、MAPS IIと本邦の胃癌診療における診断治療法やサーベイランス法の考え方の違いについて概略する。
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