特集 酸分泌抑制薬の功罪
胃 PPI長期投与と胃黒点・多発性白色扁平隆起・敷石状胃粘膜
鎌田 智有
1
,
畑野 悠
,
高張 康介
,
眞部 紀明
,
高尾 俊弘
,
永井 宏
,
春間 賢
1川崎医科大学 健康管理学
キーワード:
胃鏡法
,
胃疾患
,
胃粘膜
,
色
,
画像強調
,
危険因子
,
ポリープ
,
Proton Pump Inhibitors
,
狭帯域光観察
,
Vonoprazan
,
長期投与
Keyword:
Stomach Diseases
,
Gastric Mucosa
,
Image Enhancement
,
Gastroscopy
,
Color
,
Polyps
,
Risk Factors
,
Narrow Band Imaging
,
Proton Pump Inhibitors
,
1-(5-(2-fluorophenyl)-1-(pyridin-3-ylsulfonyl)-1H-pyrrol-3-yl)-N-methylmethanamine
pp.1166-1171
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020376636
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プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期内服による胃粘膜の変化として、これまでに胃底腺ポリープおよび胃過形成性ポリープの発生やその増大がおもに報告されていた。近年になりこれらに加えて、胃黒点、多発性白色扁平隆起(春間・川口病変)および敷石状胃粘膜などの所見も指摘されるようになってきた。胃黒点と多発性白色扁平隆起の発生にはPPI内服と除菌治療、敷石状粘膜はPPI内服との関連性が示唆されている。しかし、これら胃病変の発生機序についてはいまだ明らかでなく、PPIの直接作用によるもの、あるいは高ガストリン血症などが関与していると考えられている。今後、PPI関連胃病変の頻度は上昇することが予想されるため、これらの発生に注目し、その詳細な発生機序や臨床的意義を検討していくことが重要である。
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