症例
病態評価に苦慮した新規縦隔内病変と自家移植片を有する二次性副甲状腺機能亢進症の1例
岡 健太郎
1
,
武田 真一
,
大原 健
,
村上 琢哉
,
菅生 太朗
,
久保 太郎
,
清水 俊洋
,
八木澤 隆
,
齋藤 修
,
長田 太助
1自治医科大学 内科学講座腎臓内科学部門
キーワード:
Calcium
,
再発
,
縦隔疾患
,
副甲状腺機能亢進症-続発性
,
副甲状腺ホルモン
,
前腕
,
副甲状腺摘出術
,
放射性核種イメージング
,
自家移植片
,
異所性副甲状腺
,
胸部CT
Keyword:
Hyperparathyroidism, Secondary
,
Forearm
,
Calcium
,
Parathyroidectomy
,
Parathyroid Hormone
,
Mediastinal Diseases
,
Radionuclide Imaging
,
Recurrence
,
Autografts
pp.1040-1043
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2021129837
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症例は40歳代女性で、27年前にネフローゼ症候群を発症し、慢性腎不全へと移行して26年前に血液透析導入となった。さらに、二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)を呈して当院へ紹介となり、12年前に副甲状腺全摘術が施行され、その一部が右前腕内に自家移植された。術前に検索が行われたが、初回副甲状腺摘出術当時には異所性(頸部外)の集積は認めなかった。今回、SHPT再発と診断されて当院腎臓外科に再紹介となった。MIBIシンチでは右前腕移植副甲状腺のほか上縦隔にも集積増を認め、CTでは長径約2cmの結節像として描出された。縦隔内副甲状腺の摘出術を優先する方針となり、周術期を含めた全身管理目的に腎臓内科に入院した。術後に右前腕内の移植片による副甲状腺ホルモン過剰産生が示唆された。このため、入院9日目に右前腕内の移植片摘出術を行った。病理検査で一部に結節形成を呈する副甲状腺組織と診断された。
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