特集 母子感染症の必修知識-エキスパートに学び予防につなげる
総論 母子感染予防の観点からみた妊婦が注意すべき食品
島袋 林秀
1
1聖路加国際大学・聖路加国際病院小児科
キーワード:
リステリア症
,
食品微生物学
,
チーズ
,
妊娠合併症-感染性
,
感染症垂直伝播
Keyword:
Listeriosis
,
Food Microbiology
,
Pregnancy Complications, Infectious
,
Cheese
,
Infectious Disease Transmission, Vertical
pp.42-46
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020120985
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<Key Points>(1)免疫低下しやすい妊婦が注意すべき食品感染では、Listeria monocytogenesとToxoplasma gondiiがある。(2)Listeria monocytogenes感染症では、妊婦が感染しても高熱・頭痛・関節痛などインフルエンザ様症状が主体であり、感染原因を推察しづらい。(3)近年、交通網の発達や冷蔵保存技術の進歩により、食品の輸入環境が大きく変わり、ナチュラルチーズなどの乳製品、生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介加工品であるRTE食品が身近になり、食品保存に注意を払うとともに妊婦の摂取は控えるべきである。(4)感染ハイリスク群である妊婦にはすべてのチーズが悪いわけではないが、原料乳や製造過程での非加熱チーズの喫食には注意を要する。
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