特集 母子感染症の必修知識-エキスパートに学び予防につなげる
総論 妊娠中および産褥期におけるワクチン接種の重要性
山口 晃史
1
1国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター
キーワード:
弱毒ワクチン
,
不活化ワクチン
,
易感染性宿主
,
抗体
,
産褥
,
新生児疾患
,
胎児疾患
,
妊娠合併症-感染性
,
母児免疫
,
予防接種
,
感染症垂直伝播
Keyword:
Antibodies
,
Vaccines, Inactivated
,
Immunity, Maternally-Acquired
,
Fetal Diseases
,
Immunocompromised Host
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Vaccination
,
Vaccines, Attenuated
,
Pregnancy Complications, Infectious
,
Infectious Disease Transmission, Vertical
,
Postpartum Period
pp.35-41
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020120984
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<Key Points>(1)妊娠中の母体は易感染性の状態にあり、感染症に罹りやすく母体の感染は胎児へ多くの影響を与えるため感染予防は重要である。(2)妊娠中は不活化ワクチン(インフルエンザワクチン)の接種は可能であるが、生ワクチンは産褥期に接種する。(3)母体の獲得した免疫(IgG)は胎児へも移行しているため、出産後の新生児を数ヵ月から6ヵ月間感染から守ることが可能である。逆に母体に免疫がない感染症は、新生児は該当感染症に感受性が高いことを認識する必要性がある。(4)母体の免疫獲得は妊娠中の母体感染防御や胎児(新生児)への免疫移行だけでなく、育児中の母子間感染や社会での流行を防ぐことにも寄与できる。
Copyright© 2020 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.