症例
抗てんかん薬(レベチラセタム)内服により新生児薬物離断症候群を呈した1例
村岡 純輔
1
,
山内 綾
,
大塚 晃生
,
寺尾 公成
1宮崎県立延岡病院 産婦人科・周産期科
キーワード:
経口投与
,
母体胎児間物質交換
,
Levetiracetam
,
離断症候群
Keyword:
Maternal-Fetal Exchange
,
Administration, Oral
,
Levetiracetam
pp.135-137
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020182402
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24歳女性。15歳と22歳時に脳腫瘍の摘出術を受け、15歳時の術後から抗てんかん薬レベチラセタムを内服していた。妊娠39週に児を経腟分娩したが、出生3時間後より児に傾眠傾向とSpO2の低下を認めるようになり、閉鎖式保育器内で酸素投与を行った。SpO2は安定し、出生12時間後に哺乳力が良好になったが、出生18時間後から啼泣し続けるなど興奮状態となった。更に、出生36時間後から右上下肢の痙攣動作が出現し始めた。痙攣時間は徐々に長くなり、5分程度持続するようになった。痙攣は覚醒時と入眠時に見られ、易刺激性を伴っていた。超音波で頭蓋内に異常は認められず、新生児薬物離断症候群と診断した。原因薬剤としてレベチラセタムが疑われた。出生72時間後まで痙攣は間欠的に持続したが、それ以降、薬物離断症状は消失した。新生児聴覚スクリーニングとマススクリーニングに異常はなく、日齢6に母子ともに軽快退院となった。
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