研究
極低出生体重児の6歳児(就学前)健康診査の発達評価にK-ABC検査を用いる意義
三好 真佑
1
,
長尾 秀夫
,
重川 智子
,
垣生 真由子
,
中島 節子
,
小林 雅代
,
越智 恭恵
,
矢野 薫
,
長友 太郎
,
穐吉 眞之介
1愛媛県立中央病院 臨床心理室
キーワード:
在胎月齢
,
出生体重
,
発達障害
,
心理検査
,
分散分析
,
診断サービス
,
極低出生体重児
,
発達検査
Keyword:
Birth Weight
,
Developmental Disabilities
,
Gestational Age
,
Diagnostic Services
,
Infant, Very Low Birth Weight
,
Psychological Tests
,
Analysis of Variance
pp.345-348
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2019214918
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極低出生体重児の就学前健康診査を行う際に、子どもの発達状態を評価するのに適当な心理検査について検討した。対象は、平成13年4月~平成23年までの10年間で当院NICUに入院した極低出生体重児で、定期的なフォローアップを受け、就学前にK-ABC心理教育アセスメントバッテリー(K-ABC検査)を実施した437名(男児241名、女児196名、平均5歳11ヵ月)とした。在胎期間は平均29週1日、出生体重は平均1063gであった。K-ABC検査を行い、心理尺度(継次処理尺度と同時処理尺度)による総合得点を認知処理過程尺度として表し、これらを標準得点(認知得点)に換算して、WISC検査の知的水準(IQ)と比較した。その結果、発達年齢5歳相当である認知得点は約85となるが、K-ABC検査では、認知得点85以下の児106名についても認知得点を算出することが可能であった。一方、検査適応年齢が5歳0ヵ月以上のWISC-IVでは、適正な全検査IQの算出が困難な子どもとなる可能性があった。在胎期間や出生体重と認知得点との間に有意差はなかった。認知得点と継次処理得点より同時処理得点が有意に低かった。習得得点は、認知得点に比べ有意に低く47名であった。習得得点について、「算数」および「言葉の読み」に比べ、「なぞなぞ」が有意に低かった。
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