研究
CGMで得られた糖代謝異常を伴う妊婦の血糖変動
范 揚文
1
,
小林 久晃
,
吉野 明博
,
成宮 学
1国立病院機構西埼玉中央病院 糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
Insulin
,
Glycated Hemoglobin A
,
血糖
,
食事療法
,
糖尿病-2型
,
糖尿病合併妊娠
,
糖負荷試験
,
無拘束モニタリング
,
食後
,
妊娠糖尿病
,
ホメオスタシスモデルアセスメント
Keyword:
Postprandial Period
,
Blood Glucose
,
Diet Therapy
,
Glucose Tolerance Test
,
Glycated Hemoglobin A
,
Insulin
,
Diabetes, Gestational
,
Monitoring, Ambulatory
,
Pregnancy in Diabetics
,
Diabetes Mellitus, Type 2
pp.340-344
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2019214917
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妊娠糖尿病(GDM)妊婦と2型糖尿病合併妊婦の持続血糖モニター(CGM)を行い、両者の血糖プロファイルを比較した。GDM妊婦14名および2型糖尿病合併妊婦8名のCGMセンサーを1週間実施し、HbA1c値、24時間の平均血糖値、血糖値の標準偏差の平均、24時間で血糖値が120mg/dlを越える時間、食後血糖がピークに達するまでの時間、HOMA-IR、HOMA-β、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)平均陽性ポイント数、平均インスリン投与量を分析した。食前血糖値が100mg/dL以下、食後血糖が130未満は食事療法のみとし、それ以上はインスリン治療を開始した。その結果、GDM妊婦は、インスリン非使用妊婦が9名(A群)、使用妊婦が5名(B群)、2型糖尿病合併妊婦8名(C群)は全例でインスリンを使用した。HbA1c値は、C群は妊娠初期から高く、早急の血糖管理が必要で、A・B群より入院時期およびCGMの実施時期が早期であった。CGMの施行週数および24時間の平均血糖値は、3群間とも有意差はなかった。血糖値の標準偏差の平均は、C群がA群に比べて有意に高値であった。血糖値が120mg/dlを越える時間は、B・C群がA群に対してそれぞれ有意に高値であった。食後血糖がピークに達する時間は、3群間で有意差はなかった。HOMA-IRは、B・C群がA群に対してそれぞれ有意に高値であった。HOMA-βは、3群間で有意差はなかった。OGTT平均陽性ポイント数は、B群がA群に対して有意に高値であった。平均インスリン投与量は、C群がB群に対して有意に高値であった。いずれの群でも胎児に重篤な合併症はみられなかった。
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