特集 血液疾患の検査診断の進歩
7.血友病の検査診断法とトピックス
岡本修一
1
,
鈴木伸明
2
Shuichi Okamoto
1
,
Nobuaki Suzuki
2
1名古屋大学医学部附属病院 血液内科
2名古屋大学医学部附属病院 輸血部 助教
pp.375-381
発行日 2019年2月28日
Published Date 2019/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201903375
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血友病は,内因系凝固因子である第Ⅷ因子(FⅧ)もしくは第Ⅸ因子(FⅨ)が病的に欠乏することで,筋肉内出血や関節内出血といった深部出血を生じる疾患である。診断手順としては,プロトロンビン時間(PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)によるスクリーニング検査を行い,血小板数とPTが正常で,APTTの延長を認めた場合には第Ⅷ因子活性もしくは第Ⅸ因子活性を測定し,それらが40%未満に低下していれば確定診断に至る。鑑別疾患としては,von Willebrand病,後天性血友病A,抗リン脂質抗体症候群といった疾患が挙げられる。また近年,FⅧやFⅨの従来からの測定法である凝固一段法に加えて,合成基質法を導入しようという動きがある。これにより,より臨床症状に合致する活性値を得られるようになることが期待される。