特集 血液疾患の検査診断の進歩
6.血小板減少症診断のための検査法と最近の進歩
冨山佳昭
1
Yoshiaki Tomiyama
1
1大阪大学医学部附属病院 輸血部 病院教授
pp.365-373
発行日 2019年2月28日
Published Date 2019/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201903365
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
循環血液中の血小板数は,血小板の産生,破壊,分布のバランスにより一定数に保たれており,何らかの原因によりこれらのバランスが崩れることにより血小板減少をきたす。つまり血小板減少の成因は,血小板の産生低下,破壊・消費亢進,もしくは分布異常(もしくは希釈)のいずれかに分類される。血小板破壊亢進疾患は,それぞれの疾患に対する特異的なバイオマーカーにより鑑別は比較的容易である。しかしながら,血小板産生低下と破壊亢進状態の鑑別はときとして困難であり,保険適用外ではあるが網状血小板比率と血漿トロンボポエチン濃度測定により,両者を効率よく鑑別できる。