特集 血液疾患の検査診断の進歩
2.貧血の鑑別診断の現状
鈴木隆浩
1
Takahiro Suzuki
1
1北里大学医学部 血液内科学 教授
pp.325-331
発行日 2019年2月28日
Published Date 2019/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201903325
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貧血は末梢血の赤血球成分が減少した状態を示し,ヘモグロビン濃度の低下で定義される。貧血を引き起こす病態は様々であるが,その原因は大きく,① 赤血球産生の低下,② 赤血球破壊の亢進(溶血),③ 赤血球の喪失(出血)のいずれかに分類される。貧血の診断には,これらの病態別の疾患理解が重要であるが,実際の診療現場では ① MCVと ② 網赤血球数に注目して鑑別診断を絞り込んでいくと分かりやすい。本稿では貧血患者を診療する際の考え方,鑑別法について解説する。