特集 改訂造血器腫瘍WHO分類2016 ~概要と意義~
2.骨髄異形成症候群
鈴木隆浩
1
Takahiro Suzuki
1
1北里大学医学部 血液内科学 教授
pp.367-375
発行日 2017年2月28日
Published Date 2017/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201703031
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骨髄異形成症候群(MDS)の診断は,1982年のFAB分類の発表以来,その時代の研究成果を取り入れて発展してきた。今回のWHO分類2016年改訂版でもいくつか重要な変更点があり,① 名称からrefractory anemia/cytopeniaが削除され,MDSに統一,② 骨髄芽球比率の判定は,赤芽球割合にかかわらず全有核細胞数を分母として計算,③ isolated del(5q)については一部例外を除いて付加染色体1種までは許容,④ SF3B1変異陽性例では環状鉄芽球 5%以上でMDSと診断可能,などが注目される。本稿では,MDS領域における2016年改訂版の主な内容について解説する。