特集 骨髄異形成症候群(MDS)の病態解明と治療の現状
4.低リスク骨髄異形成症候群に対する治療の実際
鈴木隆浩
1
Takahiro Suzuki
1
1自治医科大学医学部 内科学講座 血液学部門 講師
pp.1473-1480
発行日 2014年9月30日
Published Date 2014/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201410047
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低リスクMDSでは,血球減少や機能障害などの骨髄不全症状が臨床上問題となり,主に造血改善を目的とした治療が行われる。具体的にはサイトカイン製剤,蛋白同化ホルモン,ビタミンKやビタミンD,免疫抑制剤,レナリドミド,メチル化阻害剤,支持療法,造血幹細胞移植が選択されるが,メチル化阻害剤や造血幹細胞移植が標準的治療となる高リスク症例と異なり,低リスクMDSでは基礎となる病態が様々であり,最適な治療方針決定のための判断指標は明確になっていない。 本稿では低リスクMDSの治療について,最近の知見と今後の課題について考察する。