特集 血液疾患の検査診断の進歩
3.骨髄異形成症候群の検査診断の最新情報
通山薫
1
Kaoru Tohyama
1
1川崎医科大学 検査診断学 教授
pp.333-343
発行日 2019年2月28日
Published Date 2019/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201903333
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骨髄異形成症候群(MDS)は,不応性貧血と前白血病状態という2つの概念が統合された後天性造血障害であり,最新の病型分類はWHO分類改訂第4版で規定されている。近年,病因・病態の分子基盤がゲノムレベルで急速に解明されつつあるが,現時点では血球形態学の専門家による血球異形成の判定と,骨髄染色体核型の評価が病型診断,予後予測上重要である。将来的には人工知能による形態学的判定や,遺伝子パネル検査を用いた遺伝子診断と正確な予後予測,さらに的確な分子標的療法の選択がなされる時代が到来するであろう。