復習のページ
貧血の鑑別診断
志賀 修一
1
1京都大学医学部附属病院検査部
pp.400-402
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101694
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
[貧血とは]
貧血患者と赤血球増多症患者との割合を比較してみよう.明らかに貧血患者が圧倒的に多い.それは,なんらかの疾病(骨髄疾患,慢性疾患,悪性腫瘍など)により身体に異常をきたすと,出血や溶血,骨髄造血能に抑制がかかり貧血を呈する場合が非常に多いからである.臨床医は,患者から種々の情報(既往歴,身体診察など)を得て,検査結果と合わせて貧血の鑑別診断をしていくことになる.貧血は病名ではなく,病態を示している.われわれは,意識だけで赤血球やヘモグロビンを増やすことはできない.健康な状態を維持していれば,ホメオスターシス(homeostasis,恒常性)が働いて,日常の生活に影響を与えることなく健康が維持されていく.なんらかの原因で体に障害が起こると,自然と体はそれの修復にかかるのである.修復しきれない状態が病気すなわち貧血状態に発展することになる.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.