特集 小児の貧血
5.貧血の鑑別診断
細野 茂春
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター周産期科新生児部門
キーワード:
小児貧血
,
赤血球指数
,
赤血球粒度分布幅
,
塗抹標本
,
網赤血球数
Keyword:
小児貧血
,
赤血球指数
,
赤血球粒度分布幅
,
塗抹標本
,
網赤血球数
pp.1497-1502
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001508
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小児は成人と異なり新生期から成長・発達を伴って思春期を迎える.小児では貧血はまれな病態ではないが,その自覚症状,他覚所見は年齢によって異なる.血算は多くの疾患で検査されるがときに検査異常が見逃されていることも少なくない.貧血は病態であり診断名ではない.小児貧血で最も多い鉄欠乏性貧血もその原因も年齢により異なる.一方,鉄欠乏性貧血以外はまれである.国際化により従来目にすることの少なかった疾患に遭遇する機会が増えてきている.また,悪性腫瘍などに伴う貧血では早期に診断し原疾患の治療を行う必要がある.貧血の原因疾患鑑別のためには一般検査である血算で算出される赤血球指数,とくに平均赤血球容積と塗抹により血球形態の両面から絞り込みを行い,必要な検査を追加していくことが近道である.
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