特集 赤血球造血のメカニズムとその異常 -最近の進歩-
9.後天性遺伝子変異による赤血球造血異常
鈴木隆浩
1
Takahiro Suzuki
1
1北里大学医学部 血液内科学 教授
pp.1361-1366
発行日 2018年8月30日
Published Date 2018/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018091361
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赤血球造血異常は先天的,後天的要因による様々な遺伝子変異によって引き起こされるが,後者として代表的なのは骨髄異形成症候群(MDS)による異常である。MDSは造血幹細胞レベルに生じた遺伝子変異によるクローン性疾患であり,多くの症例で赤芽球分化障害をきたして貧血が認められる。MDSでは多数の遺伝子変異が報告されているが,本稿ではその中でも,赤血球異常をきたす代表的な変異であるdel(5q)染色体異常とスプライシング関連遺伝子変異について解説する。