特集 高齢者の非腫瘍性血液疾患
7.高齢者の凝固異常症
原田佳代
1
,
池添隆之
2
Kayo Harada
1
,
Takayuki Ikezoe
2
1福島県立医科大学 血液内科学講座 助教
2福島県立医科大学 血液内科学講座 主任教授
pp.71-79
発行日 2018年12月30日
Published Date 2018/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201901071
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血栓症の治療や予防に抗凝固薬が用いられるが,高齢者は多剤併用となることが多く,薬剤相互作用の結果,出血の副作用を稀ならず認める。また,高齢に伴い癌の罹患率も増し,これに続発する播種性血管内凝固異常症(disseminated intravascular coagulation:DIC)の発症率も増加する。さらに,加齢は後天性血友病Aの発症リスク因子のひとつであり,いったんこれを発症すると出血のコントロールがつかず,救命が困難になることも経験する。本稿では,抗凝固薬の使用に伴う出血への対応や,高齢者に合併するDICおよび後天性血友病Aの診断と治療について概説する。