特集 高齢者の非腫瘍性血液疾患
6.高齢者の免疫性血小板減少症
冨山佳昭
1
Yoshiaki Tomiyama
1
1大阪大学医学部附属病院 輸血部 病院教授
pp.63-70
発行日 2018年12月30日
Published Date 2018/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201901063
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免疫性血小板減少症(ITP)において,60~80歳の高齢者での発症が増加している。高齢者では,その忍容性の低下により大量のステロイド治療や脾臓摘出術などが行いにくく,治療に難渋する場合が多い。高齢者ITPの特徴としては,併発疾患が多く存在することもあり,若年者ITPに比べ出血傾向が強く,一方では血栓症や感染症を発症しやすい。これらの特徴を勘案して治療法を選択する必要がある。個々の症例を総合的に判断して治療法の個別化が必要であるが,ステロイドはその有効性をできるだけ早く判断し,無効の場合は早期に減量し,第二,第三選択治療を考慮すべきである。