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増刊号 血液形態アトラス
Ⅱ部 造血器腫瘍以外
9章 赤血球系
12 巨赤芽球性貧血
Megaloblastic anemia
水間 知世
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1064-1067
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206216
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巨赤芽球性貧血(megaloblastic anemia:MA)は,骨髄に巨赤芽球が認められる貧血の総称である.巨赤芽球はDNAの合成障害によって出現する.DNA合成障害の主な原因として,ビタミンB12欠乏と葉酸欠乏が挙げられる.胃切除後のビタミンB12欠乏は,主な原因のひとつである.
大球性正色素性貧血を来す代表的な疾患であり,しばしば汎血球減少もみられる.無効造血に伴って,LD高値,総ビリルビン高値(間接ビリルビン優位)を認める(→表1).骨髄像では,赤芽球系の過形成,巨赤芽球を認める.ビタミンB12欠乏の場合,ビタミンB12の補充(筋肉注射や経口投与)により,速やかに造血は回復する.
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