特集 高齢者の非腫瘍性血液疾患
4.高齢者の溶血性貧血
亀崎豊実
1
Toyomi Kamesaki
1
1自治医科大学地域医療学センター 地域医療支援部門 教授
pp.43-53
発行日 2018年12月30日
Published Date 2018/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201901043
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溶血性貧血は,高齢者でみられる貧血の原因としては比較的稀であるが,しばしば急性発症し重篤になり得る。貧血患者に黄疸や乳酸脱水素酵素(LDH)の上昇を認めた際には,溶血を念頭に置いて検査を進める必要がある。高齢者の溶血では,後天性の溶血性疾患である自己免疫性溶血性貧血や発作性夜間ヘモグロビン尿症,赤血球破砕症候群,薬剤性溶血などが主な鑑別疾患としてあげられる。輸血以外の包括的な治療法が存在しないことから,病型診断の確定が治療法選択や予後の推定に重要である。