特集 血漿交換療法
3.血栓性微小血管症(TMA)に対する血漿交換療法
上田恭典
1
Yasunori Ueda
1
1公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 血液内科 主任部長 血液治療センター長 外来化学療法センター長
pp.1459-1469
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018101459
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TMAを代表する疾患である後天性TTPは,von Willebrand factorの切断酵素であるADAMTS13に対する抗体産生による活性10%未満への低下によって生じる血小板VWF血栓形成が病因であり,抗ADAMTS13抗体除去とADAMTS13補充のためのFFPによる血漿交換療法と,免疫抑制療法としての副腎皮質ステロイドの使用が必要になるが,boostingと呼ばれる抗体の反転上昇をしばしば認める。TTP以外のTMAにおいても,一部の症例で血漿交換が有効な場合があると想定されるが,多くの場合その機序はわかっておらず,無効な場合には速やかに中止すべきである。