特集 赤血球造血のメカニズムとその異常 -最近の進歩-
4.赤血球におけるヘム合成とその異常
古山和道
1
Kazumichi Furuyama
1
1岩手医科大学 生化学講座 分子医化学分野 教授
pp.1317-1324
発行日 2018年8月30日
Published Date 2018/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018091317
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ヘムはプロトポルフィリンⅨの中心に二価鉄が配位した分子で,赤血球ではグロビンタンパク質と結合することによりヘモグロビンを形成する。したがって,赤芽球における鉄の欠乏やプロトポルフィリンⅨの供給不足はヘモグロビン合成不足の原因となり,多くの場合小球性貧血となる。一方,赤芽球のヘム合成系の酵素の異常により,中間代謝産物であるポルフィリン体が蓄積する場合には骨髄性ポルフィリン症を発症する。本稿では,赤血球におけるヘム生合成の調節機序と,その異常に基づく疾患について概説する。