特集 赤血球造血のメカニズムとその異常 -最近の進歩-
3.赤血球造血と鉄代謝
川端浩
1
Hiroshi Kawabata
1
1金沢医科大学 血液免疫内科学 特任教授
pp.1309-1315
発行日 2018年8月30日
Published Date 2018/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018091309
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血清中の鉄はトランスフェリンと結合して存在し,その大部分はトランスフェリン受容体1(TfR1)を介して赤芽球に取り込まれてヘモグロビン合成に使われる。鉄過剰では肝細胞の鉄センサーが働いてヘプシジンが分泌され,マクロファージや腸管からの鉄の供給が減少する。一方,赤血球造血亢進では,赤芽球が分泌するエリスロフェロンがヘプシジン発現を抑制して鉄の供給を増加させる。本稿では,赤芽球系細胞におけるTfR1やTfR2の新たな機能も含めて,赤血球造血と鉄代謝の関連を概説する。