特集 赤血球造血の基礎と臨床
7.ヘム合成系の異常と関連疾患
藤原亨
1
,
小林匡洋
2
,
張替秀郎
3
Tohru Fujiwara
1
,
Masahiro Kobayashi
2
,
Hideo Harigae
3
1東北大学大学院 医学系研究科 血液分子治療学寄附講座/東北大学大学院 医学系研究科 血液免疫病学分野 講師
2東北大学大学院 医学系研究科 血液免疫病学分野
3東北大学大学院 医学系研究科 血液分子治療学寄附講座/東北大学大学院 医学系研究科 血液免疫病学分野 教授
pp.581-589
発行日 2014年3月30日
Published Date 2014/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201404071
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ヘムは全ての細胞で必須の分子であるが,その主な産生細胞は赤芽球と肝細胞である。ヘム生合成の障害があると,組織への酸素輸送,ミトコンドリアでの酸化的リン酸化,薬物代謝などに重大な障害を生じ,その結果,ポルフィリン症と総称される一群の疾患を生じる。本疾患は,肝細胞におけるヘム生合成の障害を認める肝性ポルフィリン症と,赤芽球でヘム合成の障害を生じる造血性ポルフィリン症に大別される。一方,赤芽球におけるヘム生合成の初発酵素であるALAS2遺伝子変異の結果,環状鉄芽球の出現を特徴とする鉄芽球性貧血も生じ得る。