特集 ゲノム編集技術の基礎と応用
1.ゲノム編集ツールと遺伝子ノックイン技術
山本卓
1
Takashi Yamamoto
1
1広島大学大学院理学研究科 数理分子生命理学専攻 教授
pp.1017-1022
発行日 2018年6月30日
Published Date 2018/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018071017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ゲノム編集は,細胞の中で任意の塩基配列を切断する人工DNA制限酵素(ゲノム編集ツール)を利用して,正確に遺伝子を改変する技術である。原理的に,ゲノム編集ツールを導入できる全ての生物において適用可能なことから,基礎研究から応用研究までゲノム編集の利用範囲は想像以上に多岐にわたる。特に,疾患モデル細胞・動物の作製と疾患研究,それらを用いた創薬,遺伝子治療による臨床研究での期待が大きく,非常に速いスピードで研究が進んでいる。本稿では,ゲノム編集の基本原理と,応用研究で必要な遺伝子改変技術(遺伝子ノックイン技術)について紹介する。