特集 血液疾患における薬剤の副作用とその対策
4.JAK阻害薬における感染症とその対策
小松則夫
1
Norio Komatsu
1
1順天堂大学医学部 内科学血液学講座 主任教授
pp.703-712
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201805703
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JAK阻害薬であるルキソリチニブは,原発性骨髄線維症,本態性血小板血症・真性多血症から移行した二次性骨髄線維症,既知の治療に不耐容/抵抗性の真性多血症に用いることができる。脾腫の縮小,全身症状・QOLの改善,さらに骨髄線維症患者では生存期間の延長を認める。一方,ルキソリチニブはJAK2以外にJAK1も阻害することから,インターフェロンの経路を抑制し,さらにはT細胞,樹状細胞,NK細胞などの機能に影響を与え,免疫力を低下させる可能性が指摘されており,使用する際には日和見感染症や播種性結核症などの発症,B型肝炎ウイルスの再活性化などに注意する必要がある。