特集 血液疾患における薬剤の副作用とその対策
3.プロテアソーム阻害薬における末梢神経障害(PN)とその対策
石田禎夫
1
Tadao Ishida
1
1日本赤十字社医療センター 血液内科 部長
pp.695-701
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201805695
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ボルテゾミブが承認された直後は,静注で週に2回投与していたこともあり,多くの患者が末梢神経障害(peripheral neuropathy:PN)に苦しんだ。現在では,ボルテゾミブの皮下注,週に1回の投与,早期に神経障害を評価し必要であれば減量・中止を考慮することで,PNの発症は減少している。さらに,第二世代のプロテアソーム阻害剤であるカルフィルゾミブやイキサゾミブはPNの発症が非常に少なく,PNを発症した患者に対しても使用可能である。PN等の有害事象をできるだけコントロールし,日常生活に支障を来さないように治療することが重要である。