特集 血液疾患における薬剤の副作用とその対策
2.抗PD-1抗体における自己免疫疾患関連副作用とその対策1型糖尿病
馬殿恵
1
,
今川彰久
2
Megu Baden
1
,
Akihisa Imagawa
2
1大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科
2大阪医科大学 内科学Ⅰ 教授
pp.687-694
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201805687
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近年,ニボルマブ(オプジーボ)やペムブロリズマブ(キイトルーダ)などの抗PD-1抗体が開発,上市され,悪性黒色腫や非小細胞肺癌,ホジキンリンパ腫など,様々な癌に使用されている。一方で,投与患者数の増加に伴い,有害事象として劇症1型糖尿病を含む1型糖尿病の報告が増加している。1型糖尿病は膵β細胞の破壊により絶対的インスリン欠乏に陥る疾患であり,なかでも劇症1型糖尿病は発症から数日以内に重篤なケトアシドーシスを呈する極めて急激な病勢の進行を特徴とするため,発症時には患者救命のために適切な診断および速やかな治療が求められる。