トピックス
血小板プロテアソーム
左近 賢人
1
,
湯川 真生
2
,
上林 純一
1
1大阪大学医学部第二外科
2Beth Israel Hospital
pp.541-542
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902057
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血小板は止血機構に重要で,血管損傷に伴い活性化され,粘着,凝集して血小板血栓(一次止血栓)を形成する.血小板内にはいくつかのリソソーム系プロテアーゼ(カテプシンL,B,Hなど)のほか,非リソソーム系(細胞質)プロテアーゼが存在する.これには主にCa2+イオンで活性化され,中性の至適pHを持つチオールプロテアーゼ(カルパイン)とプロテアソームが存在する.
プロテアソームはすべての細胞に存在し,同一分子内に複数個以上の触媒活性(キモトリプシン様,トリプシン様,ペプチジルグルタミルペプチド水解活性)を持つ多機能プロテアーゼである.その名前の由来は核蛋白質複合体の19S環状型粒子(prosome)とこのプロテアーゼ(proteinase)複合体が同一のものであることが判明したことによる.プロテアソーム(分子量75万)は環状に配列した6個のサブユニット(分子量:約2〜3万前後)の4重構造(cylinder shape)を持つ.最近,さらに高分子量のプロテアソームが同定され,ユビキチン化蛋白をATP依存性に分解することが明らかになった.前者のプロテアソームは沈降計数が20Sであることから20Sプロテアソームと呼ばれ,後者は26Sプロテアソームと呼ばれる.26Sプロテアソームは20Sプロテアソームと分子量3.5〜10万の制御蛋白群(10数個存在する)より成る.
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