特集 分野別・必読論文選考対談:次世代に語り継ぐ論文はどれか?
ユビキチン・プロテアソーム
田中 啓二
1
,
中山 敬一
1東京都医学総合研究所
キーワード:
Parkinson病
,
免疫
,
リン酸化
,
Ubiquitin
,
学術論文
,
分子シャペロン
,
タンパク質アイソフォーム
,
Proteasome Endopeptidase Complex
,
新薬開発
,
プロテオミクス
,
ユビキチン化タンパク質
,
Proteasome Inhibitors
,
Parkin Protein
Keyword:
Academic Dissertations as Topic
,
Immunity
,
Parkinson Disease
,
Phosphorylation
,
Molecular Chaperones
,
Protein Isoforms
,
Ubiquitin
,
Proteomics
,
Proteasome Endopeptidase Complex
,
Drug Discovery
,
Ubiquitinated Proteins
,
Proteasome Inhibitors
,
Parkin Protein
pp.199-204
発行日 2016年2月22日
Published Date 2016/2/22
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田中 この10年でプロテオミクスの技術が大幅に進展しましたが,それをいち早くユビキチン研究に導入して網羅的解析を可能にしたのが1のGygiさんのグループです.共著者のHarperのグループのバイオロジーをサポートしていたようですね.当然ながら,どのタンパク質がユビキチン化されるのかは誰しも興味を持っていました.そこで様々なユビキチン抗体が作製されましたが,免疫沈降では濃縮がうまくできなかった.そんなとき1のdiGly抗体[ユビキチン鎖結合タンパク質をトリプシン消化したときに生じる,2つのグリシン(diGly)がリジン(Lys)残基に結合した部分を認識する抗体]が登場し,スペシフィックにユビキチン化タンパク質を濃縮できるようになったわけです.ただ,ユビキチン化酵素群をコードする遺伝子が全ゲノムの3〜 4%を占めることからもわかるように,ポリユビキチン鎖の種類と機能は非常に様々です.2004年にAaronCiechanover,Avram Hershko,Irwin Rose博士がノーベル化学賞を受賞したことでユビキチン研究は一大ブームとなりましたが,やはり1つ1つのユビキチン化タンパク質を追いかけるのはとても大変でした.しかし1は,網羅的な解析を可能にし,技術的な1 つの突破口を示してくれました.ただ実際にそれで新しい現象の発見につながったかというと…….
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