特集 HLA半合致移植の現状
序 ~HLA半合致移植の現状と展望~
豊嶋崇徳
1
Takanori Teshima
1
1北海道大学大学院医学研究院 血液内科学 教授
pp.1655-1660
発行日 2017年11月30日
Published Date 2017/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201712017
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同種造血幹細胞移植はドナーと患者のHLA適合が原則であるが,近年HLA半合致移植が急速に増加している。従来,CD34陽性細胞純化や抗胸腺細胞グロブリンが用いられてきたが,最近,従来の概念を覆す新たなGVHD予防法として移植後大量シクロホスファミド法が開発され,その簡便性と良好な成績から急増している。最大の障壁であったドナー不足の問題が解消されつつあり,造血幹細胞移植の成功から半世紀を経て,HLAバリアの克服という大きなブレークスルーの時代を迎えている。