特集 HLA半合致移植の現状
1.各種薬剤を用いたHLA半合致移植 3)Alemtuzumab HLA半合致移植
賀古真一
1
Shinichi Kako
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科 准教授
pp.1679-1686
発行日 2017年11月30日
Published Date 2017/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201712041
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Alemtuzumabはリンパ球に発現するCD52に対する抗体で,半減期が長い。前処置として投与して,レシピエントT細胞を抑えて拒絶を予防するとともにドナーT細胞を抑えて移植片対宿主病(GVHD)を予防することで,ハプロアイデンティカルドナーからのHLA半合致移植を可能としている。高い生着率と低い重症GVHD発症率が得られており,サイトメガロウイルス(CMV)感染症などのウイルス感染症に注意する必要があるが,alemtuzumabを用いたハプロ移植は比較的安全に行える方法である。ただし,非寛解期移植での移植後再発・再燃が多い点が問題であり,alemtuzumab投与量や移植後免疫抑制剤の投与方法などに関しては,今後も検討していく必要がある。