特集 HLA半合致移植の現状
2.小児のHLA半合致移植
菊田敦
1
Atsushi Kikuta
1
1福島県立医科大学附属病院 小児腫瘍内科 教授
pp.1687-1694
発行日 2017年11月30日
Published Date 2017/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201712049
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免疫細胞療法のひとつとして低用量ATGを用いたT細胞充満HLA半合致移植が注目を浴びており,小児再発・難治性白血病に対して,これまでにない優れた治療成績が報告されている。福島県立医科大学における開発の経緯と最近の治療成績について概説するとともに,再発・治療抵抗性小児固形腫瘍に対しても治療効果が示唆され,今後の開発が期待される。一方,課題として免疫監視機構からのエスケイプによる再発様式が指摘され,何らかの対策が望まれる。また,今後は多施設共同臨床試験による検証が必要である。