特集 HLA半合致移植の現状
1.各種薬剤を用いたHLA半合致移植 1)PTCy(posttransplant cyclophosphamide)HLA半合致移植
杉田純一
1
Junichi Sugita
1
1北海道大学病院 血液内科 診療講師
pp.1661-1668
発行日 2017年11月30日
Published Date 2017/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201712023
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移植後シクロホスファミド(posttransplant cyclophosphamide:PTCy)を用いたHLA半合致移植では,移植後早期に同種抗原に応答して活性化したアロ応答性T細胞が選択的に傷害される一方で,アロ非応答性T細胞が温存されるため,移植片対宿主病(GVHD)を抑制する一方で,免疫回復は比較的良好であり,非再発死亡が少ないことが特徴とされる。Johns Hopkinsグループの原法では骨髄非破壊的前処置による骨髄移植であるが,近年は移植成績のさらなる向上のため,前処置の強化や末梢血幹細胞の使用など多くの試みもなされ,本邦を含め世界的に急速に普及している。