特集 免疫チェックポイントとがん免疫治療
1.がん免疫における免疫チェックポイントと免疫抑制細胞
冨樫庸介
2
,
西川博嘉
1
Yosuke Togashi
2
,
Hiroyoshi Nishikawa
1
1国立がん研究センター 研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター 免疫TR分野 分野長,名古屋大学大学院医学研究科 分子細胞免疫学 教授
2国立がん研究センター 研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター 免疫TR分野
pp.1511-1517
発行日 2017年10月30日
Published Date 2017/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201711023
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免疫チェックポイント阻害剤は抗腫瘍免疫応答を活性化することで有効性を発揮しており,多くのがんで効果が証明されている。一方で,まったく無効で副作用だけが出てしまうような症例も存在し,より効果を高める治療方法が求められている。抗腫瘍免疫応答の制御・抑制にかかわる細胞として,制御性T細胞,Myeloid-derived suppressor cell,腫瘍関連マクロファージなどが存在し,免疫チェックポイント阻害剤の効果との関連も解析されている。がん細胞はこれらを巧みに利用して免疫系の攻撃から逃避しており,新たな治療標的としても期待されている。