Japanese
English
特集 間質性肺炎治療法の新展開
免疫抑制剤
Immunosuppressive Agents
須田 隆文
1
Takafumi Suda
1
1浜松医科大学第二内科
1Second Division, Department of Internal Medicine Hamamatsu University School of Medicine
pp.375-381
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101457
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はじめに
間質性肺炎,特に特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis;IPF)は難治性の疾患であり,エビデンスは乏しいものの,進行性の症例に対しては実地臨床ではステロイド剤と免疫抑制剤の併用が行われてきた.この併用療法は,アメリカ胸部疾患学会(American Thoracic Society;ATS)と欧州胸部疾患学会(European Respiratory Society;ERS)とのConsensus Statementにおいても推奨されており1),本邦の「特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き」にも同様に記載されている.しかし,IPFの治療において,ステロイド剤と免疫抑制剤の併用療法を推奨するだけの,いったいどれほどのエビデンスがあったのであろうか.ランダム化対照試験(randomized controlled trial;RCT)によって,N-アセチルシステイン(NAC)やピルフェニドンなどの新しい薬剤の有効性が明らかになりつつある現在2~4),IPF治療における免疫抑制剤の位置付けについては,再考が必要と考えられる.
本稿では,間質性肺炎のなかで,特にIPFに対する免疫抑制剤の有効性について,過去の報告をreviewし,今一度検討してみたい.
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