特集 免疫制御によるがん治療
6.成人T細胞白血病に対する免疫療法 ~NY-ESO-1抗原とCCR4抗体~
杉山大介
1
,
西川博嘉
2
Daisuke Sugiyama
1
,
Hiroyoshi Nishikawa
2
1大阪大学大学院 医学系研究科 免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学
2大阪大学大学院 医学系研究科 免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学 准教授
pp.1639-1645
発行日 2014年10月30日
Published Date 2014/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201411063
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ATLはHTLV-1ウイルスに感染したリンパ球が腫瘍化することで発症する血液悪性疾患であり,既存の化学療法の効果は限定的で,非常に予後不良な疾患である。しかし近年,ATL細胞の多くがCCR4を発現していることが見出され,ATLに対する抗ヒトCCR4抗体治療により劇的な治療効果が報告されている。本稿では,このATL細胞の特徴および抗ヒトCCR4抗体の効果に焦点を当てるとともに,第4のがん治療法として期待されているがん免疫療法をATLに適応できる可能性について述べる。