症例ノート
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)と血栓症 -自施設での経験と考察-
赤荻照章
1
,
小林裕
1
,
魚嶋伸彦
1
,
前園恵子
3
,
芦田真士
3
,
池田佳弘
3
Teruaki Akaogi
1
,
Yutaka Kobayashi
1
,
Nobuhiko Uoshima
1
,
Keiko Maezono
3
,
Shinzi Ashida
3
,
Yoshihiro Ikeda
3
1京都第二赤十字病院 血液内科
3京都府立医科大学神経内科
pp.1296-1302
発行日 2017年8月30日
Published Date 2017/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201709080
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PNHの合併症の中でも血栓症は重篤なことが多い。我々は,過去35年間に経験したPNHの12症例から血栓症合併4症例を提示した。2例で血栓症が直接死因となった。エクリズマブ開発前の時期の2例中1例は剖検にて脳・心を含む全身の多発血栓を認め,1例は皮膚の多発血栓症例で皮膚壊死を後遺した。エクリズマブ投与2例中,「類もやもや病」の1例で脳動脈血栓症の発症予防に有効性が示されたが,投与の遅れた脳静脈洞血栓症の1例は死亡した。合併する血栓症に対し,発症時には迅速な診断と治療が望まれる。 はじめに