Topics「身近な話題・世界の話題」(160)
後天性血栓性血小板減少性紫斑病に対する新規治療薬
久保政之
1
,
松本雅則
2
Masayuki Kubo
1
,
Masanori Matsumoto
2
1奈良県立医科大学 内科学第二講座
2奈良県立医科大学 輸血部 教授
pp.1304-1308
発行日 2017年8月30日
Published Date 2017/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201709088
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血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)急性期における標準治療は血漿交換とステロイドによる免疫抑制療法であり,難治例,早期再発例に対してはリツキシマブが推奨されている。リツキシマブは高い有効性が報告されているが,一部には抵抗例が存在する。また,免疫抑制療法は効果発現までに期間を要することから,急性期の致死的な血栓症を完全には回避できないなどの課題が依然として残されている。そのような課題克服のため,新規薬剤の開発,臨床試験が進められており,今後の実用化が期待される。