特集 巨核球造血と血小板産生の新知見
4.血小板産生の不均一性を“見てみる”手法の開発
橋本一哉
1
,
江藤浩之
2
Kazuya Hashimoto
1
,
Koji Eto
2
1京都大学iPS細胞研究所臨床応用研究部門 江藤研究室
2京都大学iPS細胞研究所臨床応用研究部門 江藤研究室 教授
pp.827-832
発行日 2017年5月30日
Published Date 2017/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201706053
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生体外での血小板産生を観察すると,その分化成熟過程は不均一性が顕著である。1個の多能性幹細胞に由来する培養系でなぜ不均一性が生じるのか? 細胞固有の特性は様々な要因によって規定されるが,その一つがmiRNAである。筆者らは独自に開発した巨核球細胞株において,特異的な発現様式を示すmiRNAの活性や,その標的遺伝子の発現量の差が不均一性の一部を担うことを,miRNAスイッチ技術を用いて明らかにした。この方法は,成熟と未成熟集団を区分化するのにも有用であり,セルソーターを用いずに血小板産生能の高い集団のみを選別できる可能性がある。