特集 巨核球造血と血小板産生の新知見
5.血小板造血の謎とこたえ
西村智
1
Satoshi Nishimura
1
1自治医科大学 分子病態研究部 教授
pp.833-837
発行日 2017年5月30日
Published Date 2017/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201706059
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近年のバイオイメージング技術の進歩により,生体内部で時間・空間解像度の高い骨髄巨核球の撮影が可能になった。急速に進む血小板造血や血流変化と,ゆっくりとした巨核球の成熟まで,広い時間スケールでの解析が求められている。また,限局した血小板産生の瞬間から,骨髄全体での巨核球の分布まで,空間的にもマクロ・ミクロをカバーする必要がある。我々は広いスケールに対応した生体イメージングシステムを開発した。本システムで可視化・同定した,巨核球動態や血小板造血について,特に,複数の造血モードについて本稿では述べたい。