特集 わが国の血液事業 ~現状と将来展望~
3.人口減少社会における献血者確保
井上慎吾
1
Shingo Inoue
1
1日本赤十字社血液事業本部 経営企画部次長
pp.673-678
発行日 2017年4月30日
Published Date 2017/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201705037
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少子化の波が加速し,平成28年の出生数が100万人を割ると報道された。献血可能人口の減少の中で,特に若年層(10~20代)と30代の献血者減少が進んでいる。昭和39年の「献血に関する閣議決定」から半世紀が過ぎ,あらためて国民運動としての啓発と推進が喫緊の課題となっている。しかしながら,厚生労働省が平成23年10月に調査した「若年層献血意識調査」によると,献血未経験者のうち献血に関心なしとする人が56.3%を占めているなど,若年層が献血に関心を持たない状況が数多く報告されている。こうしたなかで,平成24年から「学校における献血に触れ合う機会の受け入れについて」の通知が毎年,文部科学省から各都道府県の教育主管部へ通知されて6年目を迎えた。日本赤十字社が取り組む若年層献血推進対策や今後に向けた提言を含めて報告する。