特集 輸血2018―限りある資源を安全に,有効に活用するために
トピックス
献血者の確保
大河内 直子
1,2
,
中村 篤典
1,2
,
稲垣 七瀬
1,2
,
井上 慎吾
1,2
Naoko OKOCHI
1,2
,
Atsunori NAKAMURA
1,2
,
Nanase INAGAKI
1,2
,
Shingo INOUE
1,2
1日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター検査部検査開発課
2日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター事業部献血管理課
キーワード:
献血率
,
若年層
,
複数回献血クラブシステム
,
献血登録者
Keyword:
献血率
,
若年層
,
複数回献血クラブシステム
,
献血登録者
pp.833-838
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_833
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Summary
▪本邦の献血者数は右肩下がりである.同時に,輸血用血液の年間使用量も医療技術の進歩や使用指針の変更などにより減少傾向にある.
▪10年後には高齢者人口の著しい増加と若年者人口の減少によって血液製剤がやや不足することが予測されているが,2027年に85万人分が不足するという事態(2014年に公表)は避けられそうである.しかし,血漿分画製剤の需要が増えており,献血者確保には大きな変革が求められている.
▪医療機関の需要に見合った献血者確保や将来を見据えた対策にはまだまだ大きな課題があるが,本稿では,「成分献血」と「全血献血」それぞれの献血者確保対策,若年層の献血率向上のための対策,200mL献血者数の抑制,血小板製剤の「分割製造」,複数回献血クラブシステム,中長期的な献血者確保を目標とする「献血推進2020」についてなど,患者が必要とする血液を確保し,世界に誇る安全性の高い輸血用血液製剤を提供し続けるために,日本赤十字社が行っているいくつかの対策について概説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018