特集 急性骨髄性白血病(AML) -新分類・分子病態・治療-
6.高齢者,再発・難治AMLの治療
山内高弘
1
Takahiro Yamauchi
1
1福井大学医学部 血液・腫瘍内科 教授
pp.541-547
発行日 2017年3月30日
Published Date 2017/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201704063
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急性骨髄性白血病の治療は化学療法と造血細胞移植を両輪として発展してきた。わが国における65歳未満に対する初回寛解導入率は約8割である。しかし予後中間群,不良群を中心に多くが再発するため,第1寛解期での移植,また再発例には再寛解に到達せしめる救援療法ならびに造血細胞移植療法が行われる。再発・難反応例に対しては,強力化学療法として,シタラビン大量投与を核とするレジメンが行われる。非強力化学療法として,シタラビン少量投与,シタラビン/アクラルビシン/顆粒球コロニー刺激因子併用療法などが用いられる。一方,高齢者では全身状態良好,染色体/遺伝子予後良好例などではシタラビン通常量を主体とする若年に準じた化学療法を行う。適応があれば造血細胞移植が行われる。状態不良や予後中間/不良例などでは非強力化学療法として,シタラビン少量投与,シタラビン/アクラルビシン/顆粒球コロニー刺激因子併用療法,ゲムツズマブオゾガマイシンなどが用いられ,状況に応じてbest supportive careが適応される。