特集 急性白血病の薬物療法のupdate ~最新の診断・治療戦略~
3.IDH2阻害薬(enasidenib):FDA承認(IDH2変異陽性再発・難治AML)
臼杵憲祐
1
1NTT東日本関東病院血液内科・部長
pp.1215-1221
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018051215
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ2(IDH2)阻害薬のenasidenibは,変異IDH2酵素を特異的に阻害してoncometaboliteの代謝産物R-2-ヒドロキシグルタル酸(R-2-HG)のレベルを低下させる。IDH2変異のある再発・難治急性骨髄性白血病(AML)に対するenasidenibのI/II相試験が行われた。奏効率は40.3%であり,その約半分は完全奏効(CR)に到達した。enasidenib関連のgrade3~4の副作用で多いものは高ビリルビン血症(12%),IDH阻害に関連する分化症候群(6%)などであった。
米国食品医薬品局(FDA)はIDH2変異を検出するコンパニオン診断薬と,それを用いて診断されたIDH2変異を有する再発・難治AMLの治療にenasidenibを2017年8月1日に承認した。