特集 急性骨髄性白血病(AML) -新分類・分子病態・治療-
2.AMLの分子病態
森下喬允
1
,
清井仁
2
Takanobu Morishita
1
,
Hitoshi Kiyoi
2
1名古屋第一赤十字病院 血液内科
2名古屋大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科 教授
pp.505-512
発行日 2017年3月30日
Published Date 2017/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201704027
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急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)の発症には,細胞増殖やアポトーシスの抑制に関与する遺伝子変異と血球の分化障害に関与する遺伝子変異の両者が関わると従来は考えられてきた。近年の次世代シークエンサーを用いたAMLの全ゲノム解析により,DNAメチル化やヒストン修飾といったエピジェネティクス制御に関わる遺伝子変異が大きく関与することが明らかになってきた。本稿ではAML発症に関連する遺伝子変異と,それらの分子病態に基づいた予後層別化の現状について概説する。