特集 急性骨髄性白血病(AML) -新分類・分子病態・治療-
3.白血病幹細胞研究の変遷と展望
菊繁吉謙
1
Yoshikane Kikushige
1
1九州大学大学院 応用病態修復学 助教
pp.513-518
発行日 2017年3月30日
Published Date 2017/3/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201704035
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急性骨髄性白血病における白血病幹細胞の純化,同定から20年以上が経過した。この間,種々の新規解析技術の進展にあわせて白血病幹細胞研究は白血病発症機構の解明のみならず,臨床的予後との関連性,特異的治療標的分子の同定等,非常に幅広い展開をみせている。これは,白血病幹細胞モデルを用いた病態理解が,基礎的白血病モデルのみならず,実際のヒト急性骨髄性白血病においても有用であることを示している。これまでの白血病幹細胞研究が何を明らかにし,今後どのような方向に研究が進化していくのかを含めて本稿で議論したい。